■B.C.Rich NJシリーズ モッキンバード
80年代のレアな固体です。NJシリーズとは名古屋ジャパンシリーズだそうで、寺田楽器の製造らしいです。つくりはとても丁寧でメイドインジャパンの底力を感じます。
ご依頼はストップテイルピースをチューンオーマチックに変更、ナットをTUSQ化、ビスが折れて埋まっているものを取り除いてビス穴を作り直す・・・です。
これが旧ブリッジです。確かに構造がいまひとつです。依頼者は電気関係の仕事をやっている方でご自分でEMGに変更されています。当店のお客様で多い業種の一つでもあります。
アンカーを外して11mm穴を12mmに拡大します。
12mmの丸棒で埋め木をします。
センターを出しましょう。
センターが出たらマーキングして新アンカーの穴をあけます。
新アンカーを埋め込みました・・・って、これが最悪に大変でした。GOTOH製なのですが、アンカー直径が11.3mmという半端なサイズのためドリルビットが無いし、11mm穴では入らない、11.5mmではユルユル、結局11mmで空けた後でドレメルを使って0.3mm広げるという時間のかかる作業になりました。
埋め木の部分はタッチアップなし、依頼者の知人で車塗装のプロが後で全塗装するそうです。車塗装の人はうまい人が多いです。残念なのはウレタン塗装専門ということ、ただし、色はメタル、パール、マイカ、なんでもござれ状態です。いいな〜自分の愛車と同じに出来たらいいな〜ブラッドギルスかっ!
前後しましたが、弦アース用の穴がふさがったので開け直している様子です。ピンバイスです。
弦アースの穴が空いた画像です。ピンボケです。
こんな感じで完成!かっこいいですね。弾き心地もよいです。サドルはチタンだそうです。
ナットを外したらローズウッドのシムが入っていました。一部ナットにくっついてきたため取ります。このシムの意味は底が平面でなく1mm近くナナメになっているためでした。たまにこういうの、あります。Gibsonでもありました。
新しいローズのシムを貼ります。ここから平面を出さなくてはいけません。大変です。予想外でした。旧ナットサイドに分厚い塗装がかぶっていたためまったくわかりませんでした。隠すのも技術です。
ナットの底にサンディングペーパーを貼って平面になるまでひたすら擦ります。
やっと平面です。一部マホが出ていますがローズの部分は1mm近く残っているのです。このぐらいナナメでした。
ナットの整形が終わり、溝きりです。TUSQは研磨性がよくサクサクです。きっと牛骨よりも溝が減るのが早いでしょう。リペア屋はうれしい限りです。
ナット完成!音はカラッとした感じになってます。
見えるでしょうか?ビスの先端が埋まっているのを。
穴の下にあるのが取り出したビス先端です。2mmのビス穴が6mmぐらいに広がっています。
なわけで、6mmの穴を綺麗に空けます。エスカッションからはみ出さないように慎重に。
6mmの丸棒で埋め木です。
そして2mmのビス穴を空け直します。
以上で全て終わりましたが、画像はこれ以降撮り忘れています・・・疲れたのです・・・。
しかし、出来上がりは結構よかったです。音も結構変わったようで依頼者も予想通りと満足されたようです。
ああ、これ・・・きつかったな・・・。