■マーチンHD-28

これはトラスロッドが入る前のモデルです。黒檀指板、ブリッジ、ヘリンボーンのパーフリング、いい感じです。ご依頼はネック折れですが、普通に弾いていたらひびが入り始めどんどん大きくなってきてスキマが大きくなりこのままではボッキリいきそうということで持ち込まれました。

ボリュートのところからひびが入っています。力をかけると隙間が開きます。こういうのは接着剤を奥まで入れるのがものすごく大変です。ボキッといっていたほうが接着は簡単なのですが・・・所有者からしたらそういうわけにはいかないですな。

四苦八苦の末、接着剤を充填し、クランピングです。今回、補強はいれません。価格と仕上がりを考慮してのことです。

ネック部分の塗装を剥いで320番で傷を取ります。

シーラー完了です。ウレタンを使いました。強度を稼ぐためでもあります。

接着は綺麗に出来ています。この後、弦を張って2週間ぐらい弾いてみましたが、接着は問題なさそうです。ちなみに音はものすごく良かったです。近年のマーチンと比較すると明らかに違いがあります。

ネックにラッカー着色しました。割れの部分はサンバーストっぽく濃く吹きます。良くある方法です。

そうとうよ〜く見ない限り割れはわかりません。トップは艶消しのクリアラッカーです。

少し補修をします。

ペグを付けたら更に補修後がわからなくなります。完了。音最高!