■ラファエルロマン

Pベルナベの息子で同じ工房で作っているそうですが、確かに似たような特徴があります。ただしこれはひどい状態のものです。塗装は全体にペーパーが中途半端にかけられ傷だらけ、ピエゾも付けられサドルはフォークギターのようにオクターブが切ってありすごく低いもの、ストラップピンまで付いています。なんじゃこりゃ。レストアです。

最悪のピエゾ取り付けです。古いハイランダーを接着剤で固定していました。どうしても取れないのでハンダゴテでジャックを加熱して何とか外すことができました。もうすでに一日が終わろうとしています。

ストラップピンが1mmぐらいの深さで食い込んでいます。

丸いマホガニー片で補修してみます。

ハイランダーは球面PUです。サドルの底部がU字に彫られています。サドルと溝の間にふかふかの丸いピックアップが入るわけですからボディに弦振動がうまく伝わらないのは当然でしょう。平らになるように掘りなおします。

2mmほど掘ったところにローズウッドの埋め木をします。その後更にドレメルで微調整として掘り込みます。

塗装も綺麗に剥がしたので導管を埋めます。

おおっ、これは私じゃないですか!まるで除洗中ですな。セラックとはいきませんでしたがラッカーで極薄仕上げにします。

地獄の磨きをやったら完成です。

フレットもぴかぴかです。

サイドバックも綺麗です。

ネックの裏も綺麗です。

サドルの溝も修復できたので牛骨でサドルを作りました。こんどはちゃんと振動がトップに伝わるでしょう。弦はオーガスチンでも張りましょう。

完成。弾き込むにつれよい音になっていくことでしょう。