■辻渡スプレマ

サイドバックがハカランダ単板時代のスプレマです。アストリアスの最高機種ですね。

この機種に多い症状でサイド、バック、ネックが緑がかって白濁します。オールセラックということで購入された人が多いのですがセラックの白濁と思い込んでいる人は少なくありません。もちろんカタログ上はオールセラックです。

削るとわかりますが黄色い削りかすはおそらくセラック、そしてその下から出てくる白い粉状の削りかすは間違いなくウレタンシーラーですな。これが白濁をおこした原因です。それでもオールセラック塗装には間違いありません。こういう塗装方法も結構ポピュラーだったりするのです。ウレタン塗料は高級品なんですよ。知ってました?

何とかサイド、バック、ネックのウレタンをはがし終えました。大変な作業です。トップはおそらくですが、全部セラックのようなのでそのままです。まあ、ご依頼ですが。

フレンチポリッシュの始まりです。シールコートが終わってパミス掛けです。

パミスが終わってボディイングに入ります。大分塗膜ができてきています。何日もかけて何千回もタンポ摺りをします。

グレイジングの工程に入っています。アルコールの量を増やしてセラックを少なくしていきます。やり始めてから2か月以上たっています。

ネック裏です。細かいところは大変です。タンポを止めた時の跡を消すために何度も修正が必要になります。

ネック表です。セラックの良いところですが、何度もやり直すことができます。塗膜が薄かったところ、タンポの毛が残ったところ、タンポを止めた時の跡、すべて修正します。何度もタンポを摺るわけです。ハッキリ言って終わりがありません。

もういいかな・・・。と思ったところで終了です。フレンチポリッシュは塗装方法ではありますがポリッシュの名の通り磨きであります。

完成です。3か月がたちました。厳しい仕事です。完全乾燥まで数か月かかると思いますが、現状でも音がかなり変わっています。せっかくのハカランダ単板なわけですからこのぐらいの音にならなくては。

いい艶です。

ピカピカです。オールセラックではなく、セラックのフレンチポリッシュなわけです。
セラックについて言えばいろいろ試しましたが結局はパミス、フレンチポリッシュが成功への近道だと思います。